2001/8/20 (月)
帰国

無事の帰国!!
何だか変なカンジ・・・。体がフワフワ浮いている。
余りに浮遊していて、楽しくなって自分で笑ってしまった。自分の体の脇を、人が、景色が、どんどん通り過ぎて行く・・・。タイムマシーンに乗って「人類が誕生する前」という時代にまでトリップしてしまったような旅だったから、きっと体内時計と外の時間にもの凄いギャップがあって、そこから生じている現象なのだろう。
それにしてもこの感覚は凄い凄い!!気がつかないうちにすっかり細胞から体が変わってしまったようだ。きっと、この何百倍も凄いやつを宇宙飛行士が地球に戻ったときに感じるのだろう。
とりあえず、ただいまー!!


2001/8/21 (火)
暖和

坂本龍一さん&モレレンバウム夫妻のコンサートに行く。モレレンバウム夫妻はボサノバの創始者であるアントニオ・カルロス・ジョビンと、彼が死を迎えるまでの10年間を共に過ごした夫妻である。坂本さんとこの夫妻がジョイントして作られたCD『CASA』を聞いたとき、その余りの美しさに目頭が熱くなった。そこにあった音は全て、飛び出しては宙に浮き、飛び出しては宙に浮き、シャボン玉の様に上昇して、柔らかい響きとなって浸透してきたからだ。そこには、誰かにエゴがあっては成立しえない調和があった。すばらしいー!!これぞ幸せの表現!!


2001/8/22 (水)
持続

「続・自分勝手キャンペーン」を実施していた為、そろそろ働かなくては、と留守の間に届いていた台本や原作本などを読む。それにしても体内時計がまだまだゆっくり・・・必要以上にゆっくりなので、あっという間に時間が過ぎてしまう。気持ちいいんだけど、来週までに復帰出来るかなあ。ちょっと心配(笑)。


2001/8/23 (木)
異人

来週から撮影が始まるスペシャル・ドラマの衣装合わせ・顔合わせ。久々の現場の空気。ちょっぴり嬉しいのと、戸惑いとで笑ってしまうカンジ。なんせまだ、自分だけタイムマシーンで時空を超え、2001年の東京にやって来たばかりの宇宙人状態のままで、ふわふわしている透明人間なのだから。こんな状態で、この役ちゃんと演じられるのだろうか?


2001/8/24 (金)
新風

野田秀樹さんが歌舞伎座に乗り込んだ!!という話を聞きつけ、早速駆けつけた。
「野田版・研辰の討たれ」
幕が開くと、櫻の花が幻想的に渦巻き、ゆらゆらと異次元の世界へと巻き込まれて行く・・・気が付くとそこは文政10年(1827)、讃岐の国(香川県)。白いスクリーンに写し出された立ち回りの影絵が何とも美しい・・・。そして、さらに幕が上がると、そこに色が刺され現実世界となる・・・。素晴らしい、素晴らしい!!すばらしーいオープニング!!そんな演出を眺めながら、ここは本当に歌舞伎座なのだろうか????と一瞬自分の目を疑った。きっと、これを歌舞伎座に持ち込むにあたって、相当の苦労があったに違いない。歌舞伎座に新しい風を吹かせようとがんばった勘九郎さん、そしてそこに乗った野田さんの勇気に拍手!!そこからは勘九郎さんと福助さんのテンポある見事な芝居で展開されて行き、出演者全員が間を外すことなくピシャリと決め、歌舞伎役者さんたちの力量を見せつけられた。わーい、わーい!!しかもこの芝居をなんと、わずか10日間で仕上げたというのだから驚き!!やっぱり基礎がきちんと出来ている人は違うのだなあ・・・。


2001/8/25 (土)
変化

来週から始まるドラマ撮影の為、友人宅に髪を染めに行く。久々の黒髪。何だか新鮮。髪を染めたり、切ったりするのは、とてもストレス解消になる。といっても、大自然から戻ったばかりの今の私にはストレスなんて無いんだけど<笑>。けれども髪を切ることは、部屋の掃除をし、模様替えをしたとき位の新鮮さと爽快さがある。人から見ればわからないような変化も、自分にとってはウキウキ要素に早変わり。しばらくは楽しめるかな?ドラマの撮影が終わったら切っちゃおうかなあ。


2001/8/26 (日)
物語

蜷川幸雄さんの「三文オペラ」の千秋楽を見に行く。
ジェラシーを感じるような作品ではなかったけど、やはり最後のカーテンコールで見せる "一つのことをやり遂げた感" を感じるみんなの笑顔には、ちょっぴりそんな感情も生まれた。どんなに辛いことや、苦しいことがあっても、諦めずにきちんと最後まで戦い、やり遂げられれば、いつの間にかそこで起こった全てのことがきらきらしたものに変化する。だから嬉しい、悔しい。(笑)


2001/8/27 (月)
開演

外はスコール。久々のゆっくり午後。毎日動きすぎ(笑)。日本に戻り、毎日大好きな人達に会い、いろいろな意味で自分の居場所を確認し、少々興奮状態に陥っていた。
空からまっすぐに力強く落ちてくる雨音を聞きながら、蒸している空気の中から沸いてくる雨の匂いを感じながら、夏の終わりをうっすら感じたりして・・・。今年は夏がなかったなあ・・・夏のない一年はきっと、一年を一年と実感出来ない一年になってしまうのかもしれない。何かが欠如した、貴重な一年。もう秋か・・・夢の時間は終わりです。でも、また違う夢の時間が始まります。そろそろ次ぎの幕が開きそうです。


2001/8/28 (火)
澄魂

クランク・イン。
ビート・たけしさんと、初めての共演。
殆ど台詞の無い芝居。
けれども、だからこそ、こころの裏側にある思いが、いろいろ想像出来る。その人、その人の人生が、いろいろ感じられる、ように思う。(上手く演じられればの話だけど・・・)
人には黙って俯いているだけで目が離せなくなる人がいて、何も語らずとも、全てを語っているような人がいる。
それがたけしさんという人だと思った。
それ故に、待ち時間もたけしさんから目が離せず、ぼんやり眺めていると、近所の子供たちにロケバスの中から手を振ってあげている。「コマネチ!」をやってあげている。その後の、子供達が喜んでいる様子を見ている武さんの顔は、本当に優しげで、美しかった。そして、音の無い世界で繰り広げられる、このココロのやり取りは、何故か映画のワンシーンのように儚かった・・・。


2001/8/29 (水)
秋桜

群馬県の桐生市でロケをしている。遮断機もない踏切近くの線路際にはお花が咲き乱れ、小道には、人とのつきあいを遮断するようなものなどない家が立ち並んでいる。おじいちゃんやおばあちゃん、子供連れのおくさまたちがニコニコしながら午後時間を野次馬しながら過ごしている。とても平和なところだ。
私の役柄は愛する人と何だかの理由で別れ、子持ちの男と再婚している。おそらく、そこに愛はない。何を考え、何を思い、何に諦め、彼女は生きているのだろうか???
そんなことをぼんやり考えさせられるドラマだ。



2001/8/30 (木)
二人

日常の淡々とした生活のシーンが続く。誰ともココロの接点のない生活。話している相手はいても、一人称の芝居の連続。哀しいなあ・・・と思った。やっぱり人は人によって活かされているのだなあ、と思った。
そして、自分の周りにはココロで会話が出来る人達がいてくれて幸せだなあ、と思った。この人達がいなくなったら、きっと私は死んでしまう。


2001/8/31 (金)
宝箱

横浜美術館に奈良美智さんの展覧会を見に行った。
すばらしーい!!ブラボー!!ブラボー!!
清らかな涙を沢山流した後のような作品だった。
優しくて、ココロあたたまる作品だった。
何故だか、奈良さんの作品の前で嬉しくなって、いっぱい、いっぱい笑ってしまった。幸せ沢山分けてもらった。一緒に回ってくれた奈良さんも、隣で自分の子供達を見つめながらとても嬉しそうだった。以前会った時よりも、ずっとずっと元気な顔な顔して笑ってた。
素晴らしい作品をありがとう!!!!




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