2000/8/1 (火)
武道

お正月ドラマの衣装合わせ。
まだ詳しい内容は明かせないが、台本を読んでいると、剣術のすばらしさに身の毛がよだつ。生死をかけた真剣勝負。("真剣"は真の剣と書くのです)その集中力、呼吸の使い方。そして、なんと言っても立ち振る舞いの美しさ。ものすごく切れる刃物の先のような美しさに、私は弱い。あー、人生大変だ・・・。

「武士道というは死ぬこととみつけたり」 (『葉隠』山本常朝・著)



2000/8/2 (水)
歓喜

日舞のお稽古に行った。日本舞踊の中にも武道に通じるスピリットがある。そこには何にも代えられない、涙が出るほどの喜びや、興奮があるけれど、それと同じ位の苦しさと孤独がつきまとう。道を極めるということは大変なことだ・・・。


2000/8/3 (木)
星占

昨晩からなんとなくココロの調子が悪い・・・。
いたたまれず、星占の研究をしている友人にメールを送ったら「獅子座の新月だったからね」とあっさり言われた。今回のものは何日間かの間で、日食も月食もあったので特別らしい・・・。星の動きに素直に影響されている私ってホント、単純!?


2000/8/4 (金)
同類

昨夜11時頃、友人から電話がある。なんだか調子が悪そうだったので飲みに出かけた。やはり、元気がない様子・・・。きっと、これも「獅子座の新月」パワー。単純なのは私だけではなかった。(笑)


2000/8/5 (土)
苦悩

「つぐみへ・・・」の最終回に向けて、みんな日々頭を悩めている。やはり後半に向けてどんどん苦しくなって来ているのは事実。でも、見ている人には裏で作り手がどんなに苦しんでいるかなんて関係なし!!上がってきたモノが全てなのだ。どんなに苦しんでも、作品がよくなかったらしょうがない。先日、「情熱大陸」という番組で、つか組に入門した内田有紀ちゃんがとてもすがすがしい顔で「なんで、みんなこんなに辛いことを好きこのんでやっているのでしょうね。」と笑っていた。本当に人がみたら"そんなに辛いならやめればいいのに・・・"と思うかもしれない。けれども、一度モノ創りの渦に巻き込まれてしまったら抜けられないのも事実。因果な商売なのです・・・。


2000/8/6 (日)
波乗

プロサーファーである地元の友人のWedding Party。
彼は家の近所で働き、波のいい日は波乗りに行く、という生活を送っている。毎日、海に体をゆだねているせいか彼の目はとっても澄んでいて美しい。湘南の人は人生の楽しみ方を知っている。ケセ・ラ・セラでいきましょう!!


2000/8/7 (月)
激変

祖母の具合がいまいち優れないので、都内の医院まで車で送り迎え。代官山の老舗の洋食屋で一緒に昼食をとり、今日は一日デート!!久々に道中色々な話をした。祖母の話によると、祖母の父(私のひいおじいちゃま)はアメリカのフィラデルフィアで野口英世とルームメートだったらしい。・・・野口英世???私の中で、野口英世は教科書に出てくるような歴史上の人物だったので、こんなに身近に話が出てきたことにびっくり!! 時代劇がそのまま現実になってしまったかのような妙な感覚に襲われた。明治、大正、昭和、平成、アー、本当に日本はわずかの間に激変しているのですね・・・。


2000/8/8 (火)
明滅

先日、志村ふくみさんという染織家が「ユリイカ」という雑誌で"緑"という色について語っていた。「春先に野に萌えいずる蓬のみずみずしい緑の葉汁を布や糸に染めても数分で消えてゆく、藍甕の中に入れた糸を引き上げた瞬間の、目もさめる緑<エメラルドグリーン>は空気に振れた瞬間に消えてゆく、この地に溢れる植物の緑とは何?何故緑は染まらないの。」「緑は生と死のあわいに明滅する色である。」と感じていた志村さんはシュタイナーの「色彩の本質」の中に「緑は生命の死せる像である」という言葉をみつけてどこかが符号したような気がした、と語っていた。私にはまだ、この"色"の感覚がよくわからない・・・。けれども、きちんと自然と向き合って行けば、きっと、宇宙の法則が見えて来るはず・・・。


2000/8/9 (水)
寿命

家の近所には緑が沢山あるせいかセミが多い。夜、窓を開けていると光に誘われて室内に侵入してくる。室内で「ミンミン・・・」啼かれるとうるさくて気が狂いそうになるが、子供の頃のように掴めないので、そのまま電気を暗くして窓を全開にして去って行くのを待ったりする。それでも時々、朝窓辺で死んでいる・・・。南仏では「セミ」は幸せを呼ぶ昆虫とされていた。たった7日間の命だもの、大切に過ごせますように・・・。


2000/8/10 (木)
純眼

今日は今をときめく窪塚洋介くんと一緒に雑誌の撮影。
4月クールでやっていた「池袋ウエストパーク」での好演は記憶に新しい。想像通りのキュートでステキな人だった。あの壊れそうに繊細な瞳には一体どんな景色が写っているのだろう???


2000/8/11 (金)
黄昏

先日出版されたhiromixの写真集をパラパラめくる。ヒロミちゃんの写真はいつでも光が儚い。なんだか涙が出そうになる。特に黄昏時から夜にかけて、そして明け方の光がその儚さをいっそう引き立たせる。おそらく、この現実と非現実の狭間にある、何かと何かが交差している時間帯がヒロミちゃんと被写体を、そして宇宙を交感させているのだろう。そして、男女のカップルの写真がどれもよかった。やはり男と女の戯れは究極に自我をなくすのか???


2000/8/12 (土)
岐路

友人宅でバーベキュー。彼は学生の頃からの友人で、昨年結婚し、横浜に一軒家を設けている。初めての新居訪問であった。なんだか信じられなかった。それは、結婚して一軒家を持つという行為と、そこには専業主婦になった妻がいるという状況・・・いわゆる自分がいつの日か置き去りにしてしまった一般的な”幸せ生活”がそこにあったからかもしれない。なんだか違う世界をみているようだった。けれども青春時代を友に過ごした気心知れた友人が、このような場所を設けてくれたことは私にとってもありがたい。還れる場所があると言うことは、なんとも心強く、感謝すべきことだと思う。


2000/8/13 (日)
血縁

弟が各大学のジャズコンテストでサックスを吹くというので母と見に行った。その大会にあたって毎日一生懸命練習し、悔いなくひとつのことをやりたとげたという充実感のせいか久々に見る彼はとてもいい顔をしていた。嬉しくなった。日々の生活、こころの調子は顔に出る。弟には無条件に甘い母と私は舞台を見ながらすっかり「うちの子が一番かわいいモード」に入っていた。(笑)


2000/8/14 (月)
讃称

「オールアバウト・マイ・マザー」を見に行く。この映画は私の今年一番のお気に入り。試写で見て感動し、是非見せたいと思っていた友人と一緒に見に行った。友人は「登場人物がみんなよくて、いろいろな人に感情移入をしてしまい、なんだか忙しかった」などと言っていたが、この映画のいいところはどの人も心が綺麗で、人のことを思いやりながら自分にふりかかってきている現実をきちんと受け止めて生きている所にあるのかもしれない。"女ってすばらしい!!"そう思わずにはいられない映画である。


2000/8/15 (火)
戦争

昨晩BS1で「小田実の戦争思索紀行」という番組がやっていた。アメリカの「人道的介入」という名の元に行われている戦争についての思索番組だ。いろいろな人がいろいろな視点の元にいろいろな意見を交わす。本当に難しい問題だ。けれども本当はものすごく簡単なことのように思う。人間とはなんでこんなにも愚かで悲しい動物なのであろう・・・。私はやはりダライラマが駆使している「非暴力による解決」という方法論に一票捧げたい。


2000/8/16 (水)
心緩

ヨーロッパから久々にもどった友人と食事。私の顔を見るなり「頭蓋骨が変わったような気がする」と言っていた。うーん、これってどういうこと???(笑)
久々に遅くまで話込んでしまった。楽しいひととき。
まだ、出逢って1年足らずなのだが、彼女は私にとって心許せる数少ない友人の一人。


2000/8/17 (木)
名前

脚本家の寺田さんはちょうど「つぐみへ・・・」の撮影が終わる頃にお子さんが生まれる予定になっている。「つぐみへ・・・」の脚本を産み出していくことによって、奥さんと共に産む苦しみを体験しているのだろうか?
先日、寺田さんは産まれてくる子供の名前を考えるために字画に詳しいという義母さんのところを訪れたらしい。そして、遊び半分に私の役名である”丘咲優美”という名前を観てもらったら、なんと「大切なものを失うことによって新たな人生が始まる」というような意味を持つ画数だったという。そして、私の旦那の役名である”丘咲孝”もまた、このような意味を持つ画数だったらしい・・・。なんだか、背中がゾッとした。作品を創っていると時々このように何かにひっぱられていると感じることがある・・・。


2000/8/18 (金)
周期

「コズミック・ダイアリー」を付け始める。「コズミック・ダイアリー」とは宇宙の中での月の公転周期である28日を一月と定め、1年を365日にする太陽暦で、つまり、このダイアリーを使うことによって宇宙のリズムと自分を一体化させましょう!!というモノ。たしかに、今の私達はあまりにも人工物に囲まれているために、体内時計が狂って来ているのは事実。その為に犯罪が多くなっているといっても過言ではないと思う。聞いた話によるとお産婆さんはいつも月の満ち欠け表を持っていて、それを見ながらお休みを取ったりするらしい。そういえば、よく満月の満ち潮には多くの生命が誕生し、新月の引き潮には多くの死者が出るって、言われていたっけ???


2000/8/19 (土)
慈愛

今日はとても穏やかな一日だった。こんなにも心優しく安心感に包まれ過ごせたのは久しぶりかもしれない。私の周りには本当に人のことを思いやれるステキな人達が沢山いる。尊敬と共に神様に感謝。そして、己を反省・・・。


2000/8/20 (日)
明方

友人の話によるとコズミック・ダイアリーでの新年にあたる7月25日はシリウスという犬狼星が日の出の時に最後まで輝いている日なのだという。昔、ナイル川が氾濫した日がこの頃だった為、肥よくの土地が溢れ作物が良く育つ、ということでエジプトではその日を新年としたらしい。けれども緯度が変われば状況は変わる訳だから、日本にそれが当てはまるかどうかは疑問とのこと・・・。そして、その人に言わせるとそもそも星の動きというのは正数で割り出せるものではないのでカレンダーに当てはめる事はどちらにしても無理がある、と言っていた。やはり、なんでも正数以外の所に真実があるのだ・・・。わかっているのに、型にはめ込もうとする・・・本当に悪い習性、反省。


2000/8/21 (月)
茶会

今日は宗流11代家元・幽幽斉宗さんとカメラマンの桐島ローランドさんの催す茶会へと足を運んだ。場所は桐島さんのフォトスタジオ。エレベーターを降りるとそこはもう暗闇に行燈の道しるべ・・・。その明かりに案内されるかのように扉を開くと、普段ミーテイング室として使われている部屋は、まるで異空間の扉を開く為の待合い室のようになっていた。壁には苔むした森の写真が飾られ、観音像の影が蝋燭のひかりの中、揺らめいていた。初めて顔を合わす人達ばかりであった。一通りの挨拶を済ませると食事が運ばれた。正客が話を弾ませる。"そもそも「懐石」というのは、温かい石でお腹を温めるのと同じ程度に空腹をしのぐ程度の軽い料理のことを言うんです。"「なるほど、だから"懐の石"と書くのだ」などど感心しながら運ばれてきた平膳に目を落とすと蝋燭のひかりに漆の黒が艶めかしく照らされていた。谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を思い出した。蝋燭のひかりに照らされてみる漆の色とはどんなモノなのだろう?羊羹の色とはどんなモノなのだろうとずっと思い描いていたので、ある種の性的興奮に似た昂揚を憶えた。料理の後の羊羹を頂くと、いよいよ次の空間への扉が開かれる。

・・・そこは、まるで雲海のようだった・・・・

真っ白な砂利の上に浮かんでいるスクエアの飛び石を辿って行くと茶室に着いた。そこで家元の立てた濃茶を頂くことになる。茶道口から身を屈めて茶室に入って来られるところから、全ての振る舞いがなんとも軽やかで美しかった。ため息が漏れる・・・。この宗流の家元は先日発売された写真集の中でこんなコメントを残している。「・・・私の茶の湯は精神的な究極のエンターテイメントであると思う。亭主はお客様の潜在能力を引き出すシナリオをつくり、実行するプロデユーサーでありお客様の味わうのはお茶の味のみだけでなく、亭主の気持ち、雰囲気であるからだ。さりげなく次の展開を予告し、期待させ、緊張させ、小出しに見せて行き、興味を最後まで引っ張って行き、最後に緊張をほどき寛いでいただく。・・・」まさに、すばらしい演出だった。




2000/8/22 (火)
清水

今月号の「VOGUE」にフランスのアヴィニョンで開催されている「ラ・ボーテ」と題された文化イベントの記事が載っていた。

「・・・私は最後に聖シャルル礼拝堂を訪れ、「美」の時間をたっぷり味わった。そこではマックイーン、ビョーク、モード写真界のニック・ナイトによるコラボレーションが繰り広げられていた。368リットル分もの着色されたウジ虫が、ジグソーパズルさながらに天使の顔を描く。その顔の不安定な美しさは吊り鏡に写し出され、BGMにはビョークの音楽。それは耳に快いものではなく、醜悪と美の不調和性をいっそう際立たせる。しかし居たたまれない気持ちになると同時に魅了されてしまうことは確かだ。心を癒してくれるものであろうと混乱させるものであろうと、精神性を持っていること。美の真髄はそこにある。」(「VOGUE-nippon-september」より)
その作品を実際に見たわけではないが、涙が出そうになった・・・。悪魔であろうと天使であろうと"純粋"という名の泉から生まれ落ちたモノはみな美しい・・・。


2000/8/23 (水)
真実

「つぐみへ・・・」の8話の完パケを見る。なんだか全てがもどかしい・・・。犯人の態度、警察の動き、日本の法律・・・私達(孝と優美)はただ”真実”を知って、まっすぐに生きて行きたいだけなのに・・・。


2000/8/24 (木)
魂宿

先日「知っているつもり」でやっていた水木しげるの特集を見た。水木さんは小さい頃、のんのんばあというおばあちゃんから色々な話を聞かせてもらったらしい。その中で印象に残る言葉があった。「魂は少しずつゆかりの人の心に残るんだがね、人の心はなあ、いろんな魂が宿るけん成長するんだよ。石には石の魂があるし、虫に虫の魂があるけんなあ、そげんさまざまな魂が宿ったけん、しげーさんはここまで成長したんですなあ・・・」


2000/8/25 (金)
寂寞

つぐみの家での最後の撮影。もうすっかり家の中はからっぽになってしまった・・・。なんだか寂しい・・・。今まで当たり前にあったものがなくなってしまうと、どうしてこんなに寂しさを感じるのだろう?


2000/8/26 (土)
因果

「つぐみへ・・・」の最終回のハイライトシーンの撮影。うーん、なんとも言えない結末である。それぞれがこの事件を通して、それぞれの結末を迎えている・・・。因果応報。そして、人生は続く・・・。


2000/8/27 (日)
自我

「ガンジー」のビデオを見た。なんて、素晴らしい人なのだろう・・・。最近、自分の「自我」について反省モードに入っている私にはちょうどよかった。あたりまえのことが難しい・・・。


2000/8/28 (月)
邪気

久々にスポーツクラブのサウナに入った。爽快、爽快!!汗は体に滞っている邪気も一緒に出してくれるのだと実感。たまには運動もしに行かないと・・・。


2000/8/29 (火)
旅路

インドから手紙が届く。インクが滲み、ヘロヘロになってポストに入っていた。遠いところを旅してきたんだなーと思わせるその出で立ちが、たまらなく胸を熱くした。封を切ると今年のインドは例年に比べ早くモンスーンがやって来たことを告げていた。おそらくこのインクの滲みはモンスーンを向かえたインドの雨に降られたのだろう。電話もないインドの山奥から幾人の手を渡って、きたのだろう?その過程での手紙の体験に思いを巡らせる。E−mailでは決して味わえない何かがこの手紙には染み込んでいる。きっと、それは私たちが東京という町で忘れしまった何かなのだろう・・・。


2000/8/30 (水)
光風

「つぐみへ・・・」の最後の収録が終わった!!
穏やかなシーンだった。様々なことに翻弄されていく中で"優美"が見たモノは一体何だったのか?たぶん、そうれは天上に向かってキラキラと昇っていく気泡だったのではないだろうか?そして、その気泡を見つけたときにそこに身を委ね、力を抜けば浮いて行く、ということを本能で感じたのではないだろうか?そう、ちょうど、海で、大きな波にのまれたときにそうすれば助かるように・・・。


2000/8/31 (木)
歓喜

テイ・トウワさんのライブに行く。ブースでまわしているテイさんの笑顔がとてもステキだった、かわいかった、優しさいっぱいもらった。きっと、表に出てくる人間のカリスマとはこういう所にあるのだろう、と思った。




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