mayu tsuruta | yayako uchida
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  自立の瞬間
tsuruta  子供の頃からね、自分のココロの中にサーカスに出てくるようないたずら好きで甘えん坊で寂しがりやの無垢の塊のようなピエロというか子供のようなものが住んでいて、最近それがよく出てくるようになったんだよね。
uchida  なにか理由というか、心あたりはあるの?


t  よくわからないけど、たぶん人には子供から大人にならなくては行けない時期というものがあって。あ、大人という表現はちょっと違うかもしれないけど、自立していかなければいけない時というのかな?だから、その時期はその子が出てこようとしても出させてもらえなかったんだと思う。でも、そこをひとつポンッと乗り越えることが出来たからまた出てこれるようになったのかもしれないなあ。
u  それからは仕事とか人間関係とかいろんなものに対して少しバランスが取れるようになった?


t  そうかもしれない。あんまりがんばらなくてすむようになった気がする。さっきややちゃんが言っていたように幅が少し広がったのかもしれないね。今までは受け入れられなかったものが少し受け入れられるようになったとか、少しだけ違う側面からも物事を見られるようになったとか。
u  そういうのってちょっとしたきっかけからなんだよね。


t  うん。ちょっとした糸口が見つかるとそこからスルスルと辿っていかれるのかもしれないね。そうすると色んなことが流れてくる。今まで遠くばかりを見つめていたのが少し自分の足下とか隣のことを見られるようになってくる。現実も非現実も現実なんだ、て思えるようなって、どちらも軽やかに受け入れて円になって回り出す。もしかするとややちゃんが結婚して子供を産んで、という過程のなかで、今まで傘の中で独りぼっちで宇宙ばかり見つめていたのが少し現実も見られるようになった、ということと似ているのかもしれないね。
u  そうだね。まだまだ、まだまだ、これからもいっぱい色んなことがあると思うけど、とりあえず二人とも順調ですね。(笑)


t  そうですね。(笑)
u  いつもこういうことを考えてる?


t  いつもではないけど、こうやって人と話し出すと考えるかなあ。
u  そうだよね。だから時々こうやって人と会って話さなければいけないんだね。


t  むかし父に「読んで知識を深め、書いて確かなものにし、そして話して広めなさい」って言われたことがあるの。人と話していると「ああ、こういう解釈の仕方もあるよね」って自分では気がつかない方面から人は見ていて気づかされることってあるでしょ?自分だけの解釈ではどうしても偏ってしまうことがある。だから、なるほどねえ、なんて思ったりした。(笑)
u  人生面白くなってきた?


t  うーん、まだまだ大変なことはいっぱいあるだろうけどね。
u  同世代の友達多い?


t  年上の人の方が多いかなあ?だって、年上の人と一緒にいる方が楽しいし楽でしょ?(笑)でも、最近は年の近い人とも、年下の人とも仲良くできるようになってきたと思う。そして、最近は年齢は関係ないなあ、と思えるようになったきた。ある感覚を共有出来れば年は関係ないかなって。後は自分が年上の人達に投げかけてもらった人生のヒントのようなものを相手が必要であればそのまま投げてあげたいな、とも思えるようにもなった。
u  逆に年下の人から教えられることってある?


t  うん、あるよ。そして、人の相談にのったりしながら「わかっているなら自分がやれー!!」って心の中で自分に言っているときもある。(笑)でも、子供を育てている時ってそんなことの連続だったりしないの?
u  そうそう!見本がちゃんと出来てないからね。(笑)


t  そんなにいっぱいいっぱい話をしていたわけじゃないけど、本木さんにいろいろ教わったなあ、って思うこといっぱいあるんだよ。
u  えーっ!!そうなの?


t  本木さんはそんなこと意識していなかったかもしれないけど、何気なく言ってくれた一言がものすごくヒントになったりしていた。
u  小石をポンッて投げてくれた感じ?


t  うん。撮影の合間に何気なく話してたこととか、仕事へののぞみかたとか、芝居のもって行き方とか。
u  へぇ。。。仕事場での姿というのは見たことがないからなあ。男の人は仕事している時が一番ステキなのにね。ちょっと残念。


t  でも、本当に素直な姿はややちゃんにしか見ることが出来ないんじゃないかなぁ?みんなが見たことない顔や、仕草や行動がたくさんあるんじゃないかと思うけど。
u  そうなのかしら。


t  本木さんから教えられたこと、いっぱいあるでしょ?
u  そりゃ、もう!出逢ってなかったら全然違う人になっていたと思う。だって、本当に結婚のけの字も思っていなかったのに気づいたら結婚していたからね。後からいろんな感情や事柄がついてきた感じ。結婚2年目の時に3ヶ月間一緒にアメリカを旅して、私はその後1ヶ月いたんだけど。その時にもすごい喧嘩したんだよね。日本にいるときは朝から晩まで一緒にいることなんてないでしょ?でも、向こうに行ったら何にもないから朝から晩までずーっと一緒で向き合わざる負えなかったら勃発、勃発で大変だった。(笑)お互いに大嫌いということろまでいってしまって、本木さんが帰るときに「とりあえず空港までは送るけど、帰ったらちゃんと書類を揃えて別れようね。」って行って別れたんだもん。それで、私が1ヶ月後に帰って家のドアを開けたら私の顔を見ながら「えっ???」って言うの。「えっ?って何よ?」って言ったら「何か顔が違う」って言って後ずさったの。「何とも言い難いけど、今まで見たことがない顔なんだけど何か変わってない?心情的にも肉体的にも???」って言われて調べてみたら妊娠してたの。


t  わぁあおお!スゴイね!
u  それで、別れている場合じゃないねっていうことになって・・・そこで始めて二人の焦点があったんだよね。


t  きゃーん!!運命だわ!
u  それまでは二人ともどういう方向性で行こうか?と試行錯誤していたところがひとつ共通して考えなければならないことが出来たから良かったんだと思う。それに毎日毎日状況は変化していくでしょ?私の肉体はどんどん変わっていくわけだし、彼はそれを見ながらびっくりしているし、毎日毎日初体験が続いて行くからね。それで子供が産まれて、育てているわけだけど、そこで初めて実はどうでもいいことでもめていたんだなぁ、ということに気がついた。


t  それはどういうこと?
u  私は人っていうのは好きであるからには一緒のことを喜んだり、悲しんだりしなければいけないんだと思っていたのね。でも、あぁ別々でもいいんだ、ということに気がついたんだと思う、今さらって感じだけど。(笑)いっつも向き合って、いっつも同じ感情でいないとそれは愛ではないと勝手に思っていたの。でも、本木さんは普段から「違う」ということが面白いと考える人だったのね。だからこれかわいいねぇ、って一つのものを指したときに「ねぇ」って握手して言い合いたいのに、「ねぇ」って言い合える箇所がひとつもなかったの。


t  そうなんだぁ。私は「ねぇ」と言い合える箇所が沢山あるカップルなんだと思っていた。
u  まあ、一つもないといったらウソだけど。でも、肝心なところで違ったりしてる。だってまったく性格が違うから、仕方がないんだけど。最初の頃はそれが本当に嫌で映画見ているだけでも喧嘩してた。(笑)でも、そういうことない?すっごくいい映画だったなあって思って一緒にしみじみしたいと思っているのに「えー、でもこういうところがよくなかったよ」とか「そっちよりこっちのシーンの方がよかった」なんて言われると「何見てるの?」って頭に来ちゃって。でも、少し冷静になって引いて見てみるとまあ、そんなことはどうでもいいよなあって思えてくる。・・・っていうことが頭じゃなくて感覚でわかってきたのかもしれない。違っていた方がお互いに広がっていいのかもなあ、って今は思える。


t  本木さんってわざわざ斜めから歪んだようにものを見ていたりするんだけど、実は同じところを見ているんじゃない、って思うところ沢山あるよね?
u  そうそう、よくわかってらっしゃる!!それがまどろっこしくて気持ち悪くて嫌だったんだけど、彼はそういうスタイルが好きなんだな、って認められるようになったんだと思う。そうしたらいちいち昔よりイライラしなくなった。(笑)


t  空を見上げたときにそれを「美しいなぁ」って表現する人もいれば「哀しいなあ」って表現する人もいる。でも、同じようにその空に反応したということが大切で、それをどう表現しようと本当はそんなに大差ないのかもしれないね。
u  でも、そう思えなかったんだもん。


t  あはは・・・(笑)。私もそうだったよ。基本的には全部一緒に、体も心もその他のモノも全て一緒にシンクロしたいと思っていたから。でも、ある距離感の中で壊さないようにシンクロする方法だってあるんじゃないかな?って言われた時にちょっとだけモなるほど・・モと思ったりもした。(笑)とか言いながら、やっぱり心のどこかではそうやってシンクロしたいという気持を求めてやまないんだけど、それって時として自分の存在も相手の存在も壊してしまいかねないような気がする。だから現実的にシンクロする方法をぎりぎりのところで探っているのかも?でも、こうやってお互いに無いところを分け合いながら、お互いにあるところを共感しあいながらどんどん人としてステキになれていったらいいよね。もしかして育むってこういうことなのかなぁ?
u  ねぇ、育むがかなりピークまで行ったらどうなるのと思う?


t  終わりってあるのかなぁ?
 

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