mayu tsuruta | yayako uchida
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たった二人っきりの友だち
tsuruta  小さい頃はどんな遊びをしていた?
uchida  暗くなっちゃうけど(笑)、もともとお母さんと二人暮らしで、お母さんはいつも仕事に出かけていたからほとんど一人だったし、友達もいなかったから・・・。家に帰って一人で何してただろう?テレビを見るわけでもないし、絵はたまに書いていたけど・・・。ちょっと自閉症気味だったと思う。家中の傘をひらいて円形に並べて、その中に入って柄を持ってじーっとしていたり・・・籠もっている感じが好きだったんだと思う。消しゴムとかを自分の周りに沢山並べたり、段ボールの中に入ったり、いつも自分を囲っていたかもしれない。友達という存在にも憧れていたけど学校の休み時間とかにみんなが話していてもなんかそこには入れなかった。みんなとの距離がいつもあったような気がする。

t  それは寂しかった?それともその方が居心地よかった?
u  やっぱり寂しかったかな。一人でいるということは色んなことを一人で考えなきゃならないでしょ?でも、人と話しているときはその時のテンションがあるから、その人達が楽しそうに見えたかな。でも、自分はあんなに無邪気に笑ったり出来無いなあ、と思っているうちにどんどんみんなとの距離があいちゃった。でも、二人だけ幼稚園の時からずーっと一緒の、仲がいいというか、一年に一回は会いたくなるような人がいるの。二人とも男の子なんだけど、一人は11才で亡くなっちゃった・・・。どうして仲良くなったかというと・・・あ、仲がいいと言ってもよく話をするというわけじゃなくて同じ空間を共有している感覚があるという感じかな。11才で亡くなっちゃった子はずーっと病気で、学校にもなかなか来られなかったから学年は2つ上なんだけど。個性的な洋服屋さんの息子だったから、いつもかわいい洋服を着て、頭の病気で髪の毛を剃っていたから帽子を被っていたの。で、その子が学校でもどしちゃった時にみんなが「うわー!」って逃げていく中、私ともう一人の男の子は逃げるか?片づけるか?という瞬時の選択の後、一緒に掃除を始めたことから、何かを共有しちゃったんだと思う。なんか嬉しかったんだよね。汚いんだけど掃除をしていること(笑)。その後なんだか3人で笑えちゃった気がする。でも、だからといっていつも一緒に遊んでいたわけじゃなくて・・・ちょっとしたシーンを共有したという感覚が強く残っていたんだと思う。それで私が9才の時にNYの田舎の街に一年間ホームステイをして帰ってきたばかりの頃に病気だった子が亡くなったことを聞かされ、駆けつけたら小さな棺の中だった・・・
そんなことも一緒に体験してしまったんだよね。そして、それから毎年、命日に会うようになったの。だから、色んなことを話合えたりする友達はいないんだけど、こんなたいして長くはない人生の中でわりとコアな出来事をいつも時々共有してきたからお互いに信頼しているのかなあ、と思う。小さい頃から大人の人に囲まれて過ごしてきたから同年代の人とたわいのない話が出来なかったのかもしれない。だから今、こういう年齢になってやっと、少しづつ同年代の人も受け入れられるようになってきた気がする。少し幅が広がったのかも?今までは自分の中で限定してきてしまったんだと思う。ところで友達は沢山いる?まずはなんでもその人に話たい、って思えるよな。

t  うーん、そういう友達はそんなにいないかもしれないなあ。
u  あ、私はきっと旦那さんがそういう人なんだな。夫というよりも兄弟というか親友という感じだから、まずは話してみたいと思える。だからちょっと恋愛とも違うのかもしれない。だからあせって友達を探さなくなった。でも、恋人ってそういうもの?

t  うーん、どうなんだろう?私の場合は一緒にいて穏やかになれる人かな?一人でいると感情が上がったり下がったりして大変なんだけど、相手はきっと、もちろん内側ではいろいろ大変なんだろうと思うけど、表面的にはとても安定しているから穏やかにさせてくれるのかもしれない。最近はそういうことも含めて、性格や性質が違うからいいのかもしれないなあ、と思える。似たもの同志だと二人でグチャグチャになっちゃうからね。(笑)
u  でもさあ、私は恋愛経験があんまりないからわからないけど、そういうグチャグチャな感じをいわゆる"恋愛"っていうんじゃないの?


t  うーん、私もよくわからないけど、どちらも"恋愛"なんじゃないかなあ。質とか温度とかは違うと思うけど・・・。私ね、むかし雑誌の特集で「"愛"とはあなたにとってどんな感じのものですか?」という質問にややちゃんが「深く深呼吸した直後の数秒間」って答えていたのがすごく好きだったの。
u  あはは・・・(笑)、あれは思いつきだったんだけどね。


t  でも、すごくわかるなあ、と思った。深く深呼吸した直後の、ある種瞑想状態に入っている時って、自我がなくなって全体の中の一粒になれている感じがするでしょ?
u  ぽっと浮かんだ時のイメージって以外と自分の真実に近かったりするよね、きっと。難しいね、愛って。でも、考えなくてもあるものなんだと思う。その中のどこの部分を抽出するかによって"愛"の種類が違うのかもしれない。でも、今はあんまり考えないようにしている。だって、結婚って何があるかわからないけど、自分たちや世間と約束してみましょうっていうことだったりするわけだから。


 

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