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音楽が社会に影響を与えるという恐怖
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tsuruta
坂本さんはモノの流れを先読みしていく能力が長けているように思うのですが、音が聞こえる、つまり人は気付かない振動がわかるということと、それは何か関連性があると思いますか?
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sakamoto
うーん、どうなんだろうね・・・でも、音楽家というのは振動を読む専門家なので、何かをキャッチするアンテナはみんな持っているのかもしれないね。音楽の傾向はちがっていても、小室さんには小室さんなりのアンテナがあると思うし、細野さんには細野さんのアンテナがあるし・・・。でも必ずしも、前触れのような事を感じる能力が音楽を作ることに必要だとも思わないけどね・・。
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t
でも、そこで感じてしまったことに突き動かされて表現していることはありますよね?きっと・・・。というのは最近の坂本さんの行動を見ていると「LIFE」にしても「CODE」(環境問題を中心した雑誌)にしてもそういったところで感じた事柄を形にしているような気がしてならないのですが・・・。
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s
うーーん、でもどこまでそれがそう言う感覚に基づいているのかはわからないよね。もっと、現実的なことなのかもしれないし。自分でもよくわからないな。ものを創るというのはそう言ったアンテナだけで創っているわけではなくて、もっと自分の欲求だったりするからね。その辺はいろいろだよね。どの程度人のためにやっているかということによっても違ってくるし・・・。
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t
そのヘンの折り合いというのは自分の中でどのようにつけているのですか?
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s
もちろん、その時どきによって変化はあるんだけど、世界で1番目の、自分という聴衆が感動出来るように、と思って創っているかな・・・。僕はあまりにも音楽というものが社会に対して影響を与え得てしまうことに対して恐怖があるんだよね。ヒットラーが使っていたワーグナーの音楽のように・・・。自分はその時生まれていたわけでもないし、見たわけでもないけれど、どこかトラウマのような感じになっているね。大衆を煽動(あるいは扇動)出来てしまう音楽の力というもの感じるしね。こうすればこういう力が出る、という魔法の鍵の様なものがわかるからね・・・。
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t
だからこそ、それを敢えて使わないようにしているのですか?
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s
抑制しているね。
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t
でも、ワーグナー自身は音楽を創っているときに、まさかヒットラーにそんな使われ方をされるなんて思って創っていなかったかもしれませんよ。
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s
でも、注入していたと思う。もちろん時代が違うので、ワーグナーはヒットラーのことを知らなかったけれど、彼の生きていた時代の聴衆を熱狂させよう、引きずり込もうとして音楽の暗黒の力を使ったようには思える。当時、本当にヨーロッパ中が熱狂したからね。あんなにドイツ嫌いのシニカルなボードレールや、ニーチェ、そして、ドビッシーでさえも。
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t
ワーグナーとまでは行かないけれども、かつてのYMOも日本中を熱狂させましたよね。あの時は注入したんですか?
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s
<小さく頷いて>YMOで何故そう言うことが出来たかというと3人のバンドだったから、結局責任のようなものが3人に散ってしまうんだよね。吉と出ても凶と出ても責任は3分の1。つまり、そんなことから抑制のたがが外れていたんだね。だから無責任というのが一番強い(恐い)。
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t
自分の中に潜んでいる暗黒の力を出し切ってみたいという欲求はありますか?
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s
そうはいっても、それがどのくらいのものなのかということはわからないからね。そういえば、YMOを結成する前に一枚目のソロアルバムを創ったとき、細野さんにダークフォースを使っていると言われた。
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t
「LIFE」の時などもそうでしたが、最近坂本さんの昔からのファンが不満を言っていたりするのはそのへんなのかもしれませんね。スターウォーズでいうと自分たちはダースベーダーの子分達のつもりだったのに、いきなりルークに寝返られたと思っている。(笑)最近の坂本さんの音楽を聞いていると、坂本さんは今、光(聖)に向かおうとしているのかな、と感じるのですけれど、どうですか?
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s
うーん、そう言う言い方が適当かどうかわからないけど・・。YMOは遊びだったんだよね。「たかが遊びじゃない」と思っていた。だから責任感もなかったし。それにあの頃は社会にも余裕があったし、年齢的にも若かったし・・。
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